『ヘブンズ・ドア』
大好きな『鉄コン筋クリート』のマイケル・アリアス監督の作品。
公開時からずっと見たい見たいと思っていたのを、
やっとDVDを借りてきました。
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自由気ままに日々を暮らす勝人(長瀬智也)に、
ある日、突然つきつけられた余命宣告。それも3日とか。
現実を受け入れられず呆然とするなか、病院で、
7歳のときから不治の病で入院しているという少女、
春海(福田麻由子)に出会う。
天国では「海」の話が流行らしいぜ、という流れで、
海を見たことがない春海を連れて、二人は、
病院の前に停められていた高級オープンカーに勝手に乗りこみ、
海を目指して夜の道を走っていく。だがその高級車は実は…。
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海に空に、二人の旅、強い者・弱い者、守る者・守られる者。
町に廃墟に人にギャングマン。
「鉄コン」色があちらこちらに散りばめられた映像。
色とかがやっぱり好き。雰囲気とか空気とか光とかがきれい。
◎行き当たりばったりの旅、余命わずかなロードムービー
行き当たりばったりの旅。
「余命わずか」な二人のロードムービー。
なんだろうな、自分は何をしたいんだっけ?
何をしたくて今まで生きてたんだっけ?
そんな自問自答をつきつけられ、戸惑いつつ、
「明日はないんだから今だけ生きる」ということに価値を置く、
そんなルールのタイムリミットつきの時間のなかに
突如、放り込まれる。
そんなとき、いろいろゴチャゴチャ考えずに、
死ぬまでにしたいこと、今したいことって何なのかなと、
自分にとっては、じゃあ、なんだろうなと。
そんなことを考えさせられる。
「儚くわずかな余命」というタイムリミットが、
長瀬智也と、福田麻由子の空気によって、
夢のなかみたいに現実感なく受け止められて流れていく。
・・・・でも、もし。と。
その感覚がすごく現実的。
どこか他人ごとなタイムリミット。
そんな非現実感のなかで日々をやり過ごしてしまう、
現実の日々。
◎スタッフ・キャスト・チーム
こちらも原作(オリジナル)があるみたいですね。
「Knocking on Heaven’s Door」とかいうドイツ映画。
もともと楽曲からインスピレーションを得て作られた映画のリメイク。
STUDIO4℃は入ってないと思うんだけど、
どことなく鉄コンな感じのするチームワークな気がして。
ニノや田中泯が出てきたり、音楽もPlaidだったり、
オリジナルは、20代か30代の男二人だったのを、
勝人と春海の組み合わせに置きかえたり。
そういうひとつの仕事が、次の仕事に、
蓄積されていって重なっていく・・・みたなの、いいね。なんか。
仕事はチームでやるもの。
情熱を共有し、ともに闘い抜いて、
何かをつくり上げる熱量が欲しい。
そういうチーム仕事をするための情熱とパワーが欲しい。
取り戻したいな・・・なんか・・・いろいろと。
自分をもっと見つめなおさなきゃ。。
【映画:DVD篇⑧】ヘブンズ・ドア
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