【映画:004】イリュージョニスト

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イリュージョニスト

illusionniste
予告編で観たときに、クレジットに「ジブリ」の名前を見て、
あと、色のトーンとかが好きで、気になってた作品。

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時代遅れの手品師が、スコットランドの片田舎で、
自分を魔法使いと信じる貧しい少女アリスと出会う。
言葉の通じない二人だったが、追いかけてきたアリスとともに、
都会エジンバラ、で一緒に暮らし始める。
仕事がなかなか見つからず金銭的に苦しいなかでも、
アリスの信じる魔法が解けないようにと無理をする手品師。
しかしアリスも次第に大人になり、恋を知り・・・・
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◎アニメーションの色と美術

アニメーションの絵がとにかくきれい。というか好き。
動きはディズニー的だけど、色とか背景とかの雰囲気が
STUDIO4℃みたいですごく好みでした。
鉄コン筋クリートとかだと「アジア」の町並みだけど、
あれの欧州バージョンみたいな。ロンドンの街並みとか、
哀愁のある感じですごく色気のある背景美術。

ストーリーのほうは、手品師とアリスが言葉が通じないので、
全編通してほとんど台詞がない。
つきはなされるというか観客に委ねられるというか。
観ている人の、考え方とか、積んできた人生とかによって、
それぞれ受け取り方が違ってくるんだろうなって。
なんか「いのちの食べかた」を見てるときと近い印象。

そういう意味では、DVDとかで手元に置いて、
自分のなかのいろんなタイミングで見返してみたりすると、
そのたびに受け取ったりするものが違ったりするんじゃないかな、
と思うような作品。

◎「今」の自分が感じたこと――「手品師」という仕事

そんななかで、今の自分・・・・でいうと。
仕事について、在りかたとか、生きかたとか、進みかたとか、
そういうのにいろいろと悩んだり迷ったりしてる時期なので。
そんな今の自分にとって身につまされる思いだったのが、
「手品師」という仕事。というか。

仕事をしていて「ウチらは手品師じゃないんですけど?」って
言いたくなるような無茶な要望がよくある。。。
実際によくそう言ったりもしてる。

でもその「手品師」も、魔法使いではなくて、
タネや仕掛けや努力とかがあって夢を見せてるわけで。

無理をしながら夢を見せようとばかりしていたら、
いつか叶えられなくなる現実が出てくるよな…とか。
自分の仕事ともすごく重なったりして。。

しかも。

夢を見せて喜んで欲しかったその相手は、
もしかしたら「自分だから」という理由ではなくて、
「魔法をかけてくれる相手だから」ついてきてるだけ、
だったりすることも、これまたよくある話で。。。

◎「魔法」を介さない”関係力”

魔法(=言うことを叶える)ではなくて、
人として人間味というかその自分自身として、
人を引きつけられて、人とつながるためには
どうしたらいいんだろうなー。って。

相手に喜んでもらうこと、のゴールの先に、
別の自分の願望(要望)があるというのが違うのかな。。

今の自分は、広告の仕事、をしているわけですが、
ユーザーに喜んでもらおうとは思うけど、
その先には「得意先(クライアント)の商売」という別のゴールが必ずある。

そういうのを、いかに要領よくやってやろう、
とのが広告の仕事なのかも……と。

魔法とか手品とか、何かを介して、
人と向きあっている限りはだめなのかもしれないですね。
キッカケというだけでなくて、媒体として、何かが間に存在すると、
温度はお互い届きにくくなる。。

自分の温度を相手に伝えたり、
相手の温度に触れることを恐れちゃだめだよなと。。

セリフのほとんどない「イリュージョニスト」を観ていて、
なんかそういった、今思ったことを、
書き残しておきたくなりました。なんとなく。

いつかまた別のタイミングで、観た自分が、
今自分が感じたことを、読み返せるように・・・。

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