『幻夜』東野圭吾

Filed under ひとりごと, 読書ログ

wowowで、深田恭子×塚本高史×柴田恭兵でドラマ化。
ということで手にとった本ですが 、大好きな東野圭吾作品。

『幻夜』東野圭吾
幻夜

で、おもいっきりネタばれ満載ですが感想を…。

↓ ↓ ↓



私は『白夜行』の続編とは知らずに読んでいて、
白夜行にかぶる部分が多いなあ・・・なんて思っていたのですが、
あとがきで続編と知り、そういう目線で、頭のなかでもう一度リフレイン。

そう考えると、「幻夜」ていうタイトルからうける印象すら、
なんだか違って見える。

………

個人的に受けた印象としては・・・。

美冬(雪穂?)にとって亮司が「白夜の太陽 」だったわけで。
その光があるからこそ「夜」を生き抜いてこれたわけで。
・・・・なのに、前作ラストで、 それを失ってしまう。

そして。

阪神大震災の夜、失った亮司に代わる、
「夜」をともに生きるパートナーを見つけ、
したたかに生きるチャンスを見出したのかなと。

でもやっぱり目撃というだけの絆では、
亮司とのような強い絆は保つことができなくて。
亮司という白夜をふたたび取り戻したかった美冬にとっての
手にしたと思ったけど幻だった”夜”。
――「幻夜」というのはもしかしたら、
美冬から見た雅也の絆(愛?)のことだったんじゃないのかな。

………

読書メーターで書いてあったのが、
「白夜行の二人の心情が綴られている版」とあったけど、
心情は雅也の心情しか綴られてない。
そこにやっぱり美冬の心情は語られない。
だからこそ、亮司と雪穂のような閉じた境地まで、
美冬は雅也と到達することができなかった・・・ような気がする。

三部作ならば。

次回作で、「雪の女王」がどうなっていくのか、
すごく興味深い。。

あとは。。。

本当に「スカーレット・オハラに心酔した卒論」 を書いたのは
いったい誰だったのか。

すでに入れ替わった美冬(偽)なのか、
本物の「新海美冬」 が、もともとの素質として、
美冬に心酔する素養があった(=スカーレットのファン)だったのか。
それともその卒論そのものも、美冬の”洗脳”によるものなのか。

なんだかMONSTERのヨハンみたいですね。
ちなみに美冬に、首筋にふたつホクロがあるという描写は、
マスターキートンの最終話、チャウシェスクの遺産にまつわる話に
出てきた大統領の去るシーンをなんだか思い出しました。

で。

余談ですが。。

東野圭吾は、作品のタイトルで、その作品の深みをすごく仕上げてくる
というイメージがあるのですが。。。(タイトルのつけかたが絶妙)
なのに、作中に出てくるブランド名とかショップ名のセンスが、
ちょっと微妙なのね。。(笑) そこがまた良いですね。ww

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *

*
*